自衛隊転職支援まとめ

元自衛官のアドバイザーが自衛隊員の転職をサポート

どうして私が自衛隊を辞めようと思ったのか

今回は私が自衛隊を退職する決心をした過程を説明します。

結論から言いますと、自分が幹部自衛官に不適だと自己診断して辞めました。
自衛隊には育ててくれた恩もありますし、嫌な事故、事件にあったことはありません。
ただ自分の性格や思想が幹部自衛官としてやっていくには不適格だと判断したから退職しました。

防衛大学校時代

防衛大学校時代から、幹部自衛官になるものとして育てられました。学生であった私の幹部自衛官像は、国防のために自身の全てをもって、部隊の精強さを維持し、部隊員の幸せ、家族、国民の幸せを守る職責を持った人でした。

私はそういった人間になりたいと思っていました。

その一方で学生時代から、自衛隊が本当に国を守るだけの防衛力を持っているか疑問でした。

今ある平和が一時のもので、崩れるときは簡単に崩れてしまうのではないか。戦術のシミュレーションは訓練でできても、戦争のシミュレーションはできません。幕僚監部でそういった戦争のシミュレーションをすると思うのですが、その疑問は任官し、部隊に配属されるまでずっと持っていました。

幹部時代

部隊では初級幹部として、部隊の訓練と管理を行います。幕僚監部と違い、実際に運用する装備、そしてそれを扱う人間に接します。この”前線”での経験を胸に、幹部は昇級後、自衛隊全体の運用について勉強するのですが、私がその前線で感じたことは、今のままだと日本を守り切れないという思いでした。

一番顕著なのは人と金の不足です。詳細は話しませんが、自衛隊が人材不足なのは皆さんご存じだと思います。これは幹部も含め自衛隊全体の問題です。そして金についてですが、防衛費が年々増加しているのも皆さんご存じだと思います。これは日本を武力で守るために必要だから増加しているわけですが、前線はそれでも全然足りない印象をみんな持っています。

高級化する装備品と、それを扱える人材の教育、その全てを運用する訓練、どれも多くのリソースを要求しますが、私にはそのリソースがあるようには見えませんでした。(個人の意見なので、そこは間違えないでください)

前線で直視した課題に対して、私の中の理想の幹部自衛官像はどのように対処するか、それを考えたとき、「不十分な装備、足りない人材、それをおぎなう熱意で勤務し、問題意識を他幹部と共有し、10年後空幕にいって防衛費をさらに上げる要求を通し、国防に大きく貢献する」そんな幹部像が固まったと同時に、自分にそうなれる可能性を見出せないことに気づきました。

私は学生時代の成績が悪く、同期幹部の中でも下位5%くらいの成績で卒業しました。

人望も薄かったかもしれません。自衛隊の幹部として不適格ではないけど、自衛隊が考える理想の幹部としては不適格だったんだと思います。

そんな背景もあり、私は自分を幹部自衛官としてやっていくには不適格だと判断しました。

自分一人では解決できない問題であったし、それを4万人いる1幹部、成績も悪く、人望もたぶん無い自分では到底解決できない。そう思いました。

挫折でした。

それから自分のできることを考えました。幹部としてではなく、一人の国民として、自分の防衛大学校での学びに報いる方法を考えました。そのときに思ったのは、日本をより豊かにする。もっと力のある国にする。そういう思いがわいてきました。

退職、退職して社会を知ろう、社会を知ってそこで生きる術と思考方法を磨こう、それを多くの人に共有していこう、国を豊かにしょう、そして必要なものが、必要な人が満たされる将来に少しでも貢献していこう。そう思いました。まだそちらの方が、自分に嘘をついている幹部よりも存在意義があると思いました。

私自身が、そう考えることで気が楽になりました。

自分の存在意義は自分で決めるものなので、私は今、自己の判断のもと社会に出て、そこで生きる術と思考方法を磨いています。

最後に

私は育ててくれた自衛隊に対して、自分のわがままのせいで恩を返せず、やましい気持ちがあります。
いつかその気持ちがなくなるまで生きていこうと思います。

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