参考:人事院 年次報告書
公務員の抱える問題について、最新の調査の結果を共有します。
まずは以下の図をご覧ください。
左に行くほど問題意識が高い、右に行くほど問題意識は低い
下に行くほど改善が難しい、上に行くほど改善が進んでいる
と解釈して良いと思います。
公務員が抱えている問題とは
公務員が抱えている問題意識のワンツースリー(左に寄っている問題)は
①退職後の生活の安心感
②業務量に応じた人員配置
③公務の将来性
となっています。
順に見ていきましょう
問題①:退職後の生活の安心感
退職後の生活に公務員が不安を抱える理由としては、「金銭面での不安」と、「自分の市場価値についての不安」が理由だと考えます。
公務員は日本の経済状況の悪化の影響を”無抵抗”に受けてしまいます。公務員はこれまで、安定した収入と手厚い退職金や年金が魅力でしたが、財政悪化の影響で退職金の減少、年金支払額の減少がありました。対策として貯金、iDeCoや株などの資金運用などがありますが、子供への養育費、老後の費用など、見通しがつかないなか、漠然とした不安をかかえる公務員が多いのは納得がいきます。十分な貯蓄を公務員時代に作れなければ、仕事を探す必要が生じますが、元公務員の経済界での市場価値には不安を抱えることだと思います。
問題②:業務量に応じた人員配置
業務量に対して人が少ない!という思いは多くの公務員が持っていると思います。私もそうでした。これは少子高齢化や行財政改革で人が削減されたというものもありますが、公務員のに求められる業務が増加していることも理由に挙げられます。
物流の速度が増し、ヒマな時間は無くなりました。SNSが普及し、国民の発信力は高まり、公務員に求めるコンプライアンスのハードルも上がりました。民間では働き方改革が進んでいますが、なかなか行政ではうまくいかず、民間とのギャップを感じてしまう世の中になっています。業務量に対して現在の人員配置がミスマッチであることに気づきながら改善の見込みがないことに不安をいだいている公務員が多いのではないでしょうか。
問題③:公務の将来性
今行っている業務は、公共に必要とされていますか?10年後20年後の自身の市場価値の向上に繋がりますか?
仕事のやりがいについて、自身のしごとについて公益性が高いと感じる公務員は多いのですが、具体的な自身の業務については充実を感じれていないとアンケート結果が出ています。それは直接感謝される機会がないからかもしれません。努力の結果が本人の市場価値を高め、関係者から感謝される。そういったフィールドを求めて民間に出る、もしくは将来性のある分野で、経済を回せるような仕事をしたいと民間に出る方も多いのではないでしょうか。
まとめ
公務員が抱えている問題のTOP3は
①退職後の生活の安心感
②業務量に応じた人員配置
③公務の将来性
となりました。
安心や将来性に問題を感じている人が多いのは
自分の仕事やキャリアについて真剣に考えている人が多いことの現れだと思います。
大事なのは「問題を認識してどう対処するか」であり、自分なりの考えをもって向き合うことが重要です。
JSDFでは、引き続き自衛官のキャリア形成を支援し、発信を続けていきます。